いま敢えて殊更に言うまでもないが、Twitterにおいて「クソリプ」ということばがある。2014年後半くらいには広くその概念が認知され(もっと昔から使われてたが)、そして一般化したように思う。
クソリプを分類しました。 pic.twitter.com/H34W0lIWnT
— ジェット・リョー (@ikazombie) 2014, 9月 22
もうこの図に大体の構成要件は含まれているので本当に今更なのだが、こういう簡潔でわかりやすい解説が流通してもなおクソリパーは減らない。
そこで、具体例に触れるとともに、これってクソリプじゃなかろうか、と自己内で点検する「予防策」を考えたい。自分がクソリパーなのかどうかを省みる一助になれば幸いである。
※というか、そもそも「そういうことに思いを馳せることができる人」は大丈夫なんだと思いますが……
ただ最初に結論を書くと、結局は「よく知らない人に気軽に@投げないでくれ」ただそれだけである(以下読むのが面倒な人は、それだけ覚えてお帰りいただくと時間の節約になるのでよろしくお願いいたします)。
クソリプが沢山きたツイートの例
自分が得意としている知識・情報の分野に関してワキの甘いツイートが流れてきたら、ついつい「いやいやいや」とか「それは違うでしょ」とか言いたくなるのはよく分かる。オレのほうが優れた知見を持ってる! と言いたい。言いたいのである。わかる。わかるよ。
だが実はそんなのは実はツイート主も百も承知で、ある一部や側面を語ったものであるとか、誰にでもわかりやすいようにザックリ言ったとか、多少の例外を承知での大枠としての話であるとか、そんなことも往々にしてあるのではないだろうか。そこを汲み取らなかったらそれはクソリプなのである。
Twitterにも(システムの構造として無視されやすいだけで)文脈はあるので、そのことを踏まえて読みたい。
具体例を自分のツイートから。
MUFGのシステム統合のプロジェクト運営に関する資料を見たんだけど、ハチマキとか寄せ書きとかが成功の秘訣なんすか……(;´Д`) pic.twitter.com/xip5USnDLf
— 赤祖父 (赤ソファ) (@akasofa) 2015, 5月 29
ぼくはそもそも資料全体に対しては実はあまり否定的な見解ではない(ハチマキとかは流石にびっくりしたという話で)。だがこのツイートだけのRTが増え始めたので、こういうことを懸念した。
・どこかの非公開資料の流出と勘違いしている
・ねつ造とかコラとかわけのわからんことを言い出してくる
・当該プロジェクト運営方法のすべてをぼくが否定してると解釈される
・一応終わってるプロジェクトなのに、炎上必至とか失敗だとか予言する
そして、すべての懸念は的中した。いちいち「それ、クソリプですよ」と教えてあげても良いのだが、感情的に反発されるだろうし、彼らのプラスになることをやる義理もないのでここでネタにさせていただいた。具体的なクソリプに関しては上記ツイートの一部文言で検索かければ沢山出てくるので特に引用はしない。
ちなみに、このツイートだけが沢山RTされているが、ぼくのタイムラインを見れば、やりとりを含めてこのようなツイート群がつづいているのがわかる。
http://t.co/W32yVGYxHn ググれば普通に出る資料ですよ
— 赤祖父 (赤ソファ) (@akasofa) 2015, 5月 29
でも真面目な話、最後はメンバーを信じるしかないとかいう精神論的なところはある…
— 赤祖父 (赤ソファ) (@akasofa) 2015, 5月 29
予防策① ツイートの文脈を確認する
あるツイートがRTで回ってきて、何らかの感想を抱いたとしても、必ずその本人の当該ツイート周辺のツイートも読んで、真意を汲もうとしてみるのが大事だ。
あまりRT慣れしてない人は100RTくらいから「ん?なんか雲行きがアレかな」と焦ってくるし、内容次第だが500RTくらいからマジのおかしいやつが寄ってくるので、大抵の人は拡散しはじめのツイートに対する補足説明のツイートをしてくれている。もしくは、そもそもが数ツイート連なった中のひとつだけがRTされている可能性もある。
よく「文脈をぶった切られるのはTwitterでは仕方ない(から、1ツイートに完全におさめるか諦めろ)」みたいなことを言われるが、極端な場合はデマの荷担をすることにもなりかねないので、そういう負け惜しみを言う前に自分の理解は正しいのかな?と確認のひと手間を心がけたい。
予防策② 情報を検証してみる
その情報について、自分で判断に迷う部分は検証する必要がある。具体的にはググったり有識者に聞いたりと他のソースをあたってみる。情報が無いと思ったら判断を慎重にする。別にあなたは朝のワイドショーに出演中のコメンテーターではないから、何か振られて必ず何かを喋らなければならない立場ではない(明らかに門外漢なのに何か喋らなきゃならずトンチンカンなことを言ってるコメンテーターの人を見るとちょっと可哀想になる)。真実はひとつであっても、見方は様々である。もちろん、きちんとした情報を持った前提であれば、色々な見解はあって然るべきであり、だれもそれは否定しないだろう。
例のように細かく書けばキリがないほどの情報を踏まえると、きっと当初クソリプをしていた人のご意見も変わることだろう。「いやいや、エスパーじゃないんだからそこまで読めねえよ」というのはごもっともである。ごもっともなので、ごもっともなりの振る舞いを意識する。
予防策③ それは失礼ではないかを想像する
@を投げることの影響を想像する。投げつけたウンコこと@の先にも人間はいる。
フォロワーが少なかったりTwitterをあまり触ってない人は、そもそも@を付けてツイートすることはどういうことなのか、というのが「体験として」実感できていないのだと思う。非公式RTを未だに使う人も同様で、あれは芸能人がFAQ事例的(同様のリプライはもうた〜〜〜〜くさん来てますよという意味)か、芸能人対芸能人で会話してるんですよというのを周知する意味で使っているだけなのを理解しておらず、「ああ、こういう風に使うのね」とマネをするのは一般人間ではあまり推奨できない。
@を投げてるほうとしては居酒屋のカウンターに座ってTV画面の古舘伊知郎に文句を言ってる感覚なのかもしれないが、受け取った側としては隣に座ったオッサンが自分の肩を叩き振り向かせ、面と向かってどうでもいい話を上から目線や喧嘩腰で言ってきてる感じなのである。これがどういうことなのか、そしてそれが良識を持った大人のする振る舞いなのかを是非想像してみてほしい。
言及したいツイートを紹介したいなら、是非「無言RT&その次のツイートで言及」のスタイルをおすすめしたい。これは元ツイートの人にもRT以上の通知がいかず、エゴサーチとか「リツイート直後のツイートを表示するやつ」でも使わなければあまり気にならないのでWin-Winなのである。*1
また最近Twitterでは引用RTという公式機能が追加されたので、これで言及する分には幾らでも問題ないと思われる。厳密に言えば相手の通知欄には表示され、気付かれないわけではないので、場合によっては相手が反応する場合もあることは意識しておきたい。個人的には、引用RTに関してはどんな間違った解釈や喧嘩腰言及でも不思議と「勝手に言ってろ」という気持ちになれる。
予防策④ 誰がツイートしてるのかを気にする
例えば、ある人からある人に
「あいつ、バカだな」
という言及があったとしよう。
これは字ヅラ通り読めば、貶している。
しかし本当にこれは「貶している」のか? 本当は「褒め言葉」じゃないのか?
……そう、「これだけでは情報がなさ過ぎて何ともいえない」が正解なので、どちらかだと断言してしまった人は注意が必要だ。「バカだな」が「褒め言葉」になる対人関係や文脈があるというのは実感としてあると皆理解しているはずだ。言うまでもないが、とあるツイートひとつだけ見ても、実は本人としては言いたいこととまったく真逆の意図でツイートしていたかもしれない、というのは意識したい。
また少し横道に逸れるが、そのアカウント自体の信憑性というのも気にしたほうが良い。
具体的にはまたそのうち別のエントリで触れたいが、パクツイを当たり前だと思ってたり、フェイクの情報を当然のように流す連中がいる。例えばこんなのである。
おい地震ふざけんなよ pic.twitter.com/Jx1LsUXSYm
— ゆいと (@YuitozzZ) 2015, 5月 30
地震ふざけんな!!!!!!!! pic.twitter.com/3pjw6bbVoT
— LINDAN(デルモ) (@satugihe) 2015, 5月 30
地震ふざけんな💢💢💢💢💢💢 pic.twitter.com/nmLkVxT95t
— たむしゅう (@tamusyu_taiko) 2015, 5月 30
地震ふざけんなよ、まじ pic.twitter.com/MITuMyVnec
— 凍結 (@touketu_cold) 2015, 5月 30
地震ふざけんな pic.twitter.com/hPINu5po75
— 此枝 (@konoe9) 2015, 5月 30
こんな風に、ネタのパクリとリサイクルどころかそこに添える文章すらも考えつかない連中の言うことを真に受けてはダメだ。こういうアカウントかどうかというのも、プロフィールや過去のツイートを幾つか眺めてみたらすぐにわかるはずだ。こういう連中に限らずとも、ネタツイートというのは普段普通のことをツイートしている人もすることはあるので、何でもかんでもツイートされたことは真実、事実、真意、本気、とは思わないようにしたい(その逆に、全てネタ、と捉えるのも勿論ダメ)。
(おまけ)こんな人でもTwitterはできる
たまに不思議に思うのは、「こんな人でも、プロバイダなりスマホの回線契約して、PCやスマホを操作して、Twitterにアカウントを作成して、何かしら文字を書くことができるんだぁ」というある種の生命の神秘が存在することだ。
ここまでくるとクソリプを超越しすぎて「操作ミス」かな?とすら思わせる pic.twitter.com/3OyvajPfxc
— 赤ソファ (@akasofa_aaaaa) 2015, 5月 29
予防策
しりませんよ……
*1:余談だが「リツイート直後のツイートを表示するやつ」を試しに使ってみたら、岩をどかしたら気持ち悪い虫がウネウネいたみたいな感覚に陥った。地獄のカマというやつだった……。