光景ワレズANNEX

赤いソファを知ってるか 青いソファを知ってるか

雷と空っ風 義理人情

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群馬県民マストアイテムの上毛かるた、「ら」はこういう札である。

何を言っているのかというとこれらは群馬の名物、すなわち義理人情に厚い県民性(そうなの?)、そしてカミナリが多い(そうなの?)ことと通称「赤城おろし」と言われるメチャメチャ強い風が吹きがち(これはマジ)な気象のことを言っている。

 

そんな義理人情に厚い県に生まれた私でも、流石にブチギレそうにならざるをえないことが先日あったのでここで説明したい。

 

いま、週に1、2回ジムに行っている。もっぱら健康のためであり、ムキムキになる気は一切無いので負担の無い程度にタブレットでアニメを消化しながら走って、ストレッチして、風呂とサウナを楽しんで帰ってくるという緩い使い方だ。ダイエットというよりは現状の中年らしさ満点のまあまあだらしない身体をこれ以上悪化させない、健康診断でひっかからない、程度を目標とした温度感のほうが長続きするというものである。

 

ジムはその施設全てが会員みんなで使うものであり、当然ながら自宅とは違うレベル感のマナーが求められる。ジムの風呂場もまた然りである。風呂場とは不思議なもので、清潔と不潔が表裏一体に存在する。銭湯なども含めて公衆浴場のマナーには特に気をつけたいところだ。

 

そんなマナー意識の高い私もいつものようにジムの風呂場で身体を洗い、サウナで汗を流し、さっぱりしたところで脱衣所でパンイチで髪を乾かしていた。

 

脱衣所には鏡付きの洗面台と椅子があり、ドライヤーや綿棒、いかにもジジイ御用達なヘアトニックなどが並ぶブースがある。そこで髪を拭いたりしながら小休止していると、ほぼ私の真後ろにジジイが立っているのが鏡越しに見えた。

ジジイも風呂場から出てきた様子で、長風呂をしていたのか暑そうにしていた。まだ全身軽く濡れている様子もあった。

 

脱衣所には扇風機が1台ある。ジジイはその前に立った。暑そうなので理解できる。風力を最強に強めるジジイ。まあそれもわかる。

次の瞬間、ジジイは突如スピードスケートのスタートダッシュ前のような姿勢を取り始めた。

 

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そして、もうほぼ四つん這い、女豹のポーズのような勢いで、自身のタマとアナルを風力最強の扇風機の風で乾かし始めた。クレヨンしんちゃんのお尻星人のネタといってもいい。全体的に肌の色素が薄めのジジイだったので暗黒舞踏の感もあった。

 

銭湯のドライヤーコーナーにもよく「これは頭髪専用です」と書いてあったりする。裏を返せばドライヤーを頭髪以外に使うヤツがいるのだ。そう、いるのだ。具体的にはチンゲを乾かすジジイ。物理的にチンゲに触れていないにしても、これは気分が良くない。扇風機も物理的にはジジイのアナルに接触しているわけではない。だからそこまでは最悪、許す。なぜなら義理人情に厚いので、暑いよねタマを乾かすのは気持ちいいよねと理解はするところだからだ。

 

ただ問題は、扇風機の向きが思いっきり私の方を向いているのだ。

 

 

 

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私の全身にジジイのケツを通過して吹き下ろす空っ風が吹き付けた。

すなわちジジイ・アナルウィンドだ。貴方はアナルウィンドを浴びたことがあるか。もし無いのならば経験者の私が教えよう、これはこの上なく不愉快である。しかもわざわざ扇風機最強の風力。すっかり身体と義理人情に厚いハズだった心が乾きました。アニメで良く見る闇落ちというやつです(ボロボロの黒い服を着て目が赤く光りながら)。

 

「知らないオジサンに怒られて銭湯のマナーを学んだ」なんて話ももう今は昔、公衆浴場のマナー啓発はポスターやネットのセオリーなどで盛んに行われ、受け手の若い人や外国人もきちんとマナーを学び理解し、むしろその「知らないオジサンに怒られて」育ったジジイの世代が一番公衆浴場におけるマナーがヤバいのでは、と思うのだがどうか。