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赤いソファを知ってるか 青いソファを知ってるか

バズったポストに対する補足情報・取材回答全文

あるメディアから下記ポストに対するご質問を頂いたのですが、メディアの都合上全文載せられない可能性もあるとのことで、先に回答全文を載せておきます。

 

 

 

■ノートを見た経緯、感想

子どものノートは学校、塾のもの含めて日常的にチェックしています。宿題の丸付けもありますし。また科目のものだけではなく連絡帳や自由帳、自主学習帳といったものもあるので、それらもチェックします。子どもも親に見られている認識もあるので「子どものノートを勝手に盗み見て酷い」のような意見があるのにはあまりに的外れで笑いました。

この件はまず背景情報として、Webメディア『オモコロ』に端を発して動画・小説・映画に発展し大ヒットしている、雨穴さんの『変な家』と、そのパロディとしてYouTubeでバズった動画『察しの悪い雨穴』、更にそれを元にゲーム化した『変な家シミュレーター』を知っている必要があります。このノートの落書きは、すべてパロディ動画およびゲームを元にした内容です。「セッ◯スしないと出られない部屋」はネットミームとして昔からありますが、いずれも動画やゲームに出てくるものです。これらは全て子どもが見ていることは知っていますし、何なら元の動画だけではなくパロディ動画やゲームも私が教えてあげました。そこから派生して原典の小説版を読んだり、元のゲーム実況動画を見たり、パロディのパロディを見たりもしているようです。入口がパロディで元ネタに戻ることもあるので良い還流だと思います。

その上で、変な家パロディの落書きと、ゲームにも出てきたのでそうかとも思いましたが、「セッ◯ス」と"子どもの書いた文字"で目にしたのは初めてだったので、感動したという感想をポストしました。


■このことを子ども本人や家族と話したか?
子どもとは特に話していません。褒めたいことがあったり、いじめの兆候などが見られるようなことがあれば当然会話をしますが、自由に友だちと落書きで遊んでいる範囲の内容にいちいち口を出す親なんて最悪じゃないですかね。
妻は気付いてなかったようなので、後で子どもの居ないところでノートを見せて「セッ◯スだ!」「セッ◯スだ!」としみじみ笑いました。

 

 ■投稿の反響に対する感想
バズる度にいつも思うのですが、今回も赤の他人の家庭の方針や、私や子どものキャラクター、そもそも落書きの元ネタなどの背景も知らずに、勝手な1ポストの情報だけで人のことを「毒親」と言ったり「子どもがヤバい」と断定する人があまりに多いのには本当に呆れますね。グラデーションや程度問題がわからないゼロイチ思考だったり、これはどういう背景があるのかなと想像する力が足りない大人が多いのかなと思います。そもそもこの程度の下ネタはTV番組でも出てきますし。

子どもが見ているコンテンツにいちいち口出しして「これは良いもの/悪いもの」などと子どもの「好き」を親の価値観で否定したり、見せて良い悪いを検閲するような親のほうが余程「毒親」じゃないかと私は思います。一方で、子どもは一度気にいった同じものを延々と見たりして、コンテンツの幅や広がりが無くなることもあるので、新しいものを紹介することもあります(それが今回の『変な家』およびパロディを子どもが知ったきっかけです)。紹介してもハマったりハマらなかったりしますが、それは子どもの価値観で判断することなので、押しつけはしません。
子どもは様々なメディアやコンテンツを清濁併せ呑んで吸収する度量を持っていますし、そういった過程で豊かな感性と想像力、そして常識を持った大人に育っていくのだと私は思います。親が親の価値観で選んだコンテンツしか見てはいけないような「無菌室育ち」で大人になるほうが私は怖いですね。

 

(以上)