※攻略情報、ストーリー的なネタバレは特に書いていませんが、今後一切の前知識なく触れたい方はそっと閉じてください!
ドラクエ11をプレイしている。非常にハマっています。クリアもしていないまさにプレイ中の熱でもって感想を書いているわけです。
今までゲームをして、「おもしろい!」「だるい」「金返せ!」というような感情はあったけど、「ありがとう…ありがとう…!」という感情を抱きながらのプレイはこのドラクエ11が初めてです。そんな不思議な感覚は何なのか、別に分析はしませんがただただ書いてみようかなと思う次第です。別にワタミの社員的な意味はないです。
「元ゲーマー」というのは自分が昔ファミっ子だったけど今はほぼゲームしない人間になったのでそういう意味です。詳しくは自己紹介します。
ゲームとのかかわり自己紹介
【書いている時点のドラクエ11のプレイ状況】
これを書いている時点ではプレイ時間60時間ちょっと、主人公のレベルは40ちょっとほど。細かいお使いクエストをこなしたりミニゲームをしたりして先を急いでもいないし、DSを開いたまま放置して他のことをしたりもしているので、実プレイ時間と中身が伴っているかはよくわかりません。
【わたしのゲーム遍歴】
1980年生まれ。初めて買ってもらったゲーム機は5歳くらいのとき、セガ・マークIII(←これは人生において早くも訪れてしまった非常に重要なターニングポイントだと思っている)。
ファミコンはスーパーマリオとセットで小学校に入ってから買ってもらったような記憶があるので同世代からしたらちょっと遅れているかもしれないけど、その後は間違いなく趣味=ゲームと言い切れるくらい典型的なファミっ子に育つ。小中高で弟のお年玉を騙し取ったりで共同で購入し、ゲームボーイやスーファミは勿論PCエンジン(全ソフトに対応できるよう敢えてスパグラ+CD-ROM2という組み合わせ)、メガドライブ、ゲームギア、ネオジオ(ネオジオCDに買い換えてしまってお手玉するサルを眺めながら大後悔する時代も体験。何のことかわからない人にいちいち説明しません)、サターン、プレステ、64あたりまでは着々と購入(硬派のオタクを気取っていたのでPC-FXはスルー。3DOはギリギリ踏みとどまった)。ゲーセン通いもしたし、時効だと思うので書きますがPC-98のエロゲにもハマりました。
だけど大学に入学&上京したあたりでゲームから遠ざかりはじめた。理由は、東京には他に面白いものが色々あったのと、単純に面白そうと思えるゲームが減ってきたから。PS2はリメイク版ドラクエ5を買うまで買わなかったし、PSPはtorneでのテレビ再生用に買ったけど遂にゲームを1本も買わずに売却してしまった。Wiiも買って友人をバンバン家に呼ぶぞ〜〜〜〜〜〜〜とイキってリモコン4本揃えたけど使う機会が通算で1回しか無くて全然活用しなかったとか、それくらい薄い感覚でゲーム機買ったりしている程度で完全に昔の情熱は無くなっており、要は自分はもうゲーマーではないな、と自覚するところでありました。
【わたしのドラクエ遍歴】
正統シリーズについては、6は途中で投げて未クリア、7と10は未プレイ。他はいずれかのプラットフォームで最低1度はクリアしています。モンスターズとか外伝系は全然やってません。今回はドラクエ11のためにNew 2DS LLを買いました。
【ゲーム、好きなの?】
好きだけど、やらない。そういう感覚。あと今のゲームにはほぼついて行けないという劣等感も抱いています。それでも最後にリアルタイムにプレイした先端的なゲームは『ダークソウル2』です。途中で挫折しました。
この吉田戦車の4コマ、当時リアルタイムでファミ通で読んだときは全然理解できなかったけど、今だと痛いほど理解できるし、そういう人はかなり多いんじゃないかと思う。そんな層にも3DS版のドラクエだったら普通にプレイできている!
で、冒頭の「ドラクエ11ありがとうの気持ち」をどこに感じたのか、以下4つのポイントで取り敢えず書きます。
ありがとうポイント① 何も読まずに、何も調べずに進められる安心感
※以下、すべて3DS版でのみ語ります
元ゲーマーで、ドラクエの過去作品を1つか2つやったことがあればまずそのままイケる。十字キーとABボタンの概念、それから「画面上が北」の暗黙の了解を忘れてなければ大丈夫。鎌倉幕府成立の年号が今どう扱われてるのかわからなくても、ホイミの意味を覚えていれば大丈夫。
特に序盤はチュートリアルかつ3Dモードと2Dモードの2画面なので、最悪3Dがわからない人でも慣れる。自分は最初2Dで進めようと思ったけど3Dのほうが何かと優遇されていることに気付いたので3Dで進めることにしました。
戦闘も含めて、時間に縛られることは(多分)ない。何か用事があればパタッとDSを閉じればいいし、リアルタイムバトルとか時間制限でアレコレしなきゃいけないみたいなイベントもどうやらなさそう。こういう「一瞬でも他のことをするのが許されないタイミングがある」ゲームってなんだかプレッシャーになって今もうキツいんですよね。
ありがとうポイント② 元ゲーマーのオジサンの懐かしツボをズバズバ刺すミニゲーム
3DS版限定らしいのだが、本筋に無関係の展開で過去の作品の世界を一部冒険する演出がある。グラフィックはFC版、SFC版、PS版、DS版とそれぞれの作品に(なるべく)合わせてある。11が初だとナンノコッチャだろうけど、自分のように「ドラクエのためだけにゲームハードから買ってきた」ようなオジサンにはニクい演出である。あざといといえばそれまでだけどさ。音楽ひとつとってもグッときてしまうわけです。
FC版ドラクエ1の再現。街の人たちはちゃんと正面しか向かない。
SFC版ドラクエ5の再現。このくらいの表現が自分たちの世代には一番プレイしやすいかも、なんて思ったりも。
ありがとうポイント③ 敢えて変わらない、進化しない勇気
でもひとつ気がかりなことは、今の若いゲーマーにとってドラクエ11ってどうなんだろう? ということ。はっきり言ってシステムも凡庸、ストーリー的にはかなり王道というか、悪い言い方をすれば想像のレベルを(今のところ)越えてこないし、どんでん返しとか刺激的なストーリーの欲しい人にとっては(王道あっての邪道的なところは当然あれども)例えば『ライブ・ア・ライブ』とか『バハムートラグーン』あたりの展開の衝撃は越えてこないよね〜みたいな感覚になってしまうかもしれない。
でも、自分はドラクエはこれでいいんだ、と強く感じている。近所の小汚い中華料理屋が出すラーメン、ギョウザ、ミニチャーハン、それが食べたいときってあるじゃないですか。そういう感覚です。チープって意味じゃなく王道っていうか。いっぽうでFFシリーズがそのときの最高の食材と最高のシェフが出すフルコースみたいなもので、日常に疲れてゲームする時間なんてなかなか作れないような自分からしたらフルコース食べに行くにもまず服から考えなきゃだし食事自体も数時間かかるし店がある都心まで遠いし……みたいな「じゃあ結構ですわ」って感じになってしまう。否定するわけじゃなくてね。
だから、自分みたいな元ゲーマーがかなり久しぶりにゲームに戻って来れたこと、ゲームならではの楽しさである「なんとなく先に進む道がわかってるけど自由に寄り道できる」「関係無いことに注力できる」「自由にできる武器やスキル、編成にアタマを使う」みたいな部分を堪能させてもらっていることに感謝をしているし、やっぱりそれを自分みたいなロートルゲーマーというか元ゲーマーというか、そんなおじさんにもさせてくれているドラクエは凄いって強く感じているのです。
逆にこの時代に“このレベルに留めて”(というと悪い感じの言い方だけど)出してくれたのは勇気だと思うんですよ。スタバに生まれて初めて入ったときにトールだのグランデだのに戸惑ったような感覚はドラクエにはない。ドラクエは変わらずSMLサイズです、みたいな。呪文も武器もお品書きが殆ど変わってないから、「はじゃのつるぎ」の初入手は相変わらず嬉しいのだ。(でもメラゾーマ、ベギラゴン、イオナズン、マヒャド、バギクロスそれぞれ更に上位の呪文名称はどうなのよ〜といまだに思ってるぞ!)
王道ゆえに王道らしい横綱相撲的な余裕みたいなものだろうか。でもPS4版は現代らしいシステムにもなっているようなので、逆に自分みたいな時代遅れの人間はPS4版ドラクエ11を入門にして今っぽさを感じてみるのもまた良いのかもしれませんね。 将来もしswitch版がPS4ベースで出るのだったら多分買う気がする。
ありがとうポイント④ 自分の意志で冒険している気にさせて、実は至れり尽くせりのホスピタリティ
良い飲食店とか良い旅館って、その何の良さが印象に残るって言ったらやっぱり思いやりというかおもてなしの態度なんですよね。そういうのを特に今回は随所に感じるわけです。システム面でも「あらすじ」とか「今まで得た情報で次の目的地らしき場所」が確認できるようになっていて、それを無視してもいいんだけど暫くぶりに触って忘れちゃった人とかを救ってくれる。それでも寄り道の要素が常にあるので、「ボタンをポチポチ押させられ進めさせられてる感」ではなく「自分の足と頭で進めてるんだぞ感」がある。これが凄いのです。人生の諦めが見え始めたアラフォーのおじさんが2DSを開けば世界を救う勇者になりきれる。(どうでもいいけど画面が暗転したときに2DSの上下画面両方に映りこんでいる自分のツラ上下ふたつはかなり見たくない部類のものですね)
ストーリーに関しても、一本道ストーリーと自由度というのはRPGにおける二律背反的なところがあって、自由度を高めるとズゴゴゴゴって出てきた強そうなボスが大分後回しにされたせいで即死みたいなケースもあって難しいものなのだなあと思うところですが、それでもあまり一本道感を感じさせない(結構ムリがあるシーンも少なくないけど)作りは流石ですね。
それから、仲間は勿論、登場キャラクターたちの殆どが(敵以外)イヤなやつが居ないのも最高ですね。イヤなやつはリアルで散々相対するわけですから、単純にいい人たちに囲まれたり相対するのは気持ちが良い。たまに「こいつイヤなやつっぽいな〜」ってキャラが出てきても最終的には納得感ある決着に落ち着いたり。あと仲間たちも使えね〜ってキャラが居なくてみんな絶妙に役立つバランスもまた良い。今回は戦闘中のキャラ入れ替えでちょこちょこ入れ替えていて、スタメンと控えみたいな感じでなくて本当に全員で戦ってる感じです。
……色々まとまりも無く書いたけど、そんなわけで堀井雄二さんをはじめ開発チーム各位におかれましては、ドラクエ11本当にありがとうございますと言いたいのです。
余談:ぱふぱふ屋さんの充実度が凄い
今や30代40代の元ゲーマー、普通にリアルな“ぱふぱふ屋さん”に定期的に通ったり、あるいは行ったことのある人も少なくないだろう。
自分の場合ご利用の経験は無いのだが、地方に旅行したときなどはそういう“ぱふぱふ街”みたいにを見て歩くのが好きで、それと同じように行く先々にぱふぱふ屋さんがあるのは(ゲームとしては完全に無意味だけど)なんか嬉しくなる。
お風呂!
「料亭」への呼び込み!
ぱふぱふコーナー!(?)
立ちんぼスタイル!
そんなわけでドラクエ11たのしいぞ!
もうしばらく楽しむぞ!!