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赤いソファを知ってるか 青いソファを知ってるか

「自分クイズ対決」に不毛さを感じる

なにかのサービスに入会したり始めたりすることはWebだけで完結するものが多いが、一方で退会したり変更したり辞めたり、というのは電話のみですとか書面郵送のみです~みたいなパターンがいまだに少なくない。イレギュラー処理が入ってくるとシステム化するのも複雑だったりするので人力運用という判断もわからなくはないが、めんどくささのハードルを上げて企業側にとってネガティブな処理を減らす魂胆があるのでは、という勘繰りをしたくなるのもまた人情だ。

 

先日、とあるクレジットカードの解約をした。ぼくはマイルを効率的に貯めるために複数のカードを持っていて、かつ最終的にJAL系とANA系に収斂されていく各種サービスごとにカードを作ったり、年ごと更新ボーナスマイル目当てに寝かせているだけのカードがあったりと結構大変なことになっていた。ただ最近は殆ど旅行にも行けなくなってしまったので、幾つかの死蔵しているやつを整理しようと思ったのだ。

 

クレジットカードを解約する場合、ぼくの経験した限りは必ず電話対応になる。プラチナカードだと24時間いつでも電話できるデスクがありそれで深夜に解約したが、それ以下だと窓口9時17時とかそういうレベルになり、これもまたハードルになるわけだ。
この時点でちょっとイラッと来てるのだが、更に解約を進めるにあたり心の中のクレーマーを抑えつけるのに必死になる過程がある。それが「ご本人さま確認」のフェーズである。当然電話口がカード契約者本人か、を確かめる必要があるのでその過程は必要だ。Webの手続きであればワンタイムパスワードがメアドに来るとかアプリで生成したパスワードを画面に入れるとかそういうのが現代の主流になりつつあるが、電話の場合そうもいかないので、「本人の情報を色々聞いて本人か確認する」という、それが果たして本気のなりすましに対して効果あるのかよくわからない方法がとられている。よくある例が名前、住所、電話番号、生年月日あたりを口頭で喋らされるパターン、ケータイ会社なんかであるヒドい例ではネットワークパスワードの4ケタを口頭で喋らされる(聞かれたらどうすんのよ)こともある。

(余談だが上記のように結構大事な個人情報だよねという理由でぼくはあまり自分の誕生日をネットで言わないようにしている)

 

で、数年前に作ったカードだと、登録している住所や電話番号が異なっていたりすることもある。このパターンは非常に大変だ。昔の住所や電話番号などもう忘れているので、本人でもお前は本当に本人なのか?と疑われる。あるカード会社ではまさにこのパターンにハマり、答えた住所が「違います」と言われ、こちらも「えっ、古い住所かな…もしかして○○1丁目ではなく××2丁目ですか…?」などと探りを入れる。このような問いに答えてくれる窓口担当もいれば、かたくなにヒントを出さない窓口担当もいる。完全にただの心理戦である。単純にカードのWebサイトから登録情報を再チェックすればいいのだが、そういう準備をしていないと「自分の個人情報のクイズ対決」になる。正解は越後製菓!とでも言いたくなる。自分クイズに正解するために自分のことに自分で悩み自分で答え、電話の向こうのナニモノともわからない人が正解か否かをジャッジする、この状況マジで何なんだ。お前は神か。

 

そういえば、たとえばAppleのサポートなどは登録メールアドレスを口頭で読み上げさせるという羞恥プレイも強いてきてこれもツラい。名字と同じ、みたいなカタいアドレスならいいが「shinozaki_ai-chupachupa@~~~~」みたいなアドレスだと最高にツラい。各種サービスに登録する際はカタめのメールアドレスをオススメします。