光景ワレズANNEX

赤いソファを知ってるか 青いソファを知ってるか

高級腕時計の世界から身を引いたらめちゃめちゃ気が楽になった

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10年前くらいの自分が社会人として一番イキっていた2、3年目くらいの頃、当時のボーナスをはたいて買った時計を先日売却してきた。

機械式のいわゆる高級腕時計の類だ。この写真でモデルと価格帯がパッとわかり「こんな安物で高級?」とマウントかましてくる御仁もきっと少なくないとは思うが、自分にとっては高級だったのよ。

 

売った理由はApple Watchが生活に馴染んでこの時計を使わなくなったから。ただそれだけで、逆にそれまではガンガン普通に使っていた(一度壊れてオーバーホールには出した)。 

 

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Apple Watchどんなもんよ?と見極める時期にはこうして両腕に時計を着けるHONDA△ SUTAIRUを体現してみたが、結局どちらかの時計しか見ないことが体感的にわかり、「時間がわかるだけの時計はもう不要」と判断したのでお役御免と相成った。たまに国家資格系の試験などではHAITEKU時計使用不可があるのでチープカシオも買った。

 

こういう高級腕時計は機械的な趣味性もあるがアクセサリー性を持っているというか、女性の宝石の指輪などと似たような意味合いもあるので、見る人は見る、値踏みの材料にもするものだろう。自分の場合は、当時会社の上の人は皆こういうのを当たり前に着けており、また「身だしなみ」みたいな空気感があった(クソですね〜)のでそのノリで買ってしまったのだった。今となっては「朝日経を読まない社会人は社会人失格」くらいの無意味なノリである。

 

まあ高級な時計とは言っても所詮その世界では下のほうで幽遊白書の妖怪で言えば乱童レベル、上を見れば勿論キリのない世界だ。スマホはどんな金持ちでも庶民と同じiPhoneやAndoridを使っている(ケースやデコで競うのかしら?)ので公平な世界だが、高級腕時計はあからさまにランクがあるし、必然的に収入に比例したモデルを装着することになる。

自分の周りにその価値観の世界線にいる人も特にいない(自分が好きで趣味で着けてる人はいる)し、自分も普段使いしている以上の思い入れもなく良い機会なのでサヨナラした。しかし結果的に買った価格+オーバーホールにかかった費用よりも10万以上高く売れてしまった。いいのかよ。

(買った当時より国内景気も良いし、中国も勢いづいているので相場が上がっているようだ)

 

こんな風に「価値の下がりにくいものをメンテして使い続け、不要になったら換金する」使い方や、「価値が下がらないうちにどんどん買い替えていく」というのは、実は「安物を使い捨てる」よりトータルで安上がりになったり、あるいは儲かったりすらすることもある。それは否定しないし、PCやカメラの買い換えなどは自分もそういう運用をしている。そういう意味ではこの時計、すごく貧乏くさい買い物だったかもしれないが、とにかくこの世界からサヨナラして気がセイセイした。ただ機械式の手巻き時計の良さみたいのはわかったので(ソコの趣味性は否定しないしむしろ良くわかる)1万円くらいで買った国鉄支給品の払い下げ時計で楽しみます。

 

 

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シチズンのホーマーというモデル。「鉄道時計」としてその手のショップで割と簡単に買えます。