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【実録】隣家が火事になったときの話

タイトルのままのただの体験談です。数年前の話だけどもう時効かなと思ったので。ただの体験談なのでオチもなにもないですが、火事怖いなと思ってもらえたらと思います。

 

 

……ある日、自宅で普通に寝ていて、ふと夜中に目を覚ましたのですよ。なんか騒がしいなと。

 

騒がしさの質はいわゆる喧噪というか、ガヤガヤしている感じと、あとは消防車が来ている感じ。家の前は酔っ払いが通ったりする場所なので、それほど気にならないというかまたかという感じに捉えていたのだけど、喧噪が全然通り過ぎない感じだったので寝付くに寝付けず(妻と子供は寝ている)なんだろうとちょっと様子を見てみるかとベランダに面した窓を開けてみたらこれですよ。

 

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火の粉? ファイヤーのパウダー??

 

 

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これが雪だったらレミオロメンなんでしょうけども、舞い散る火の粉については永遠を前に余りに脆い家財、家屋、すなわちわき上がるのは恐怖心。そしてiPhoneを手に取り、上記の写真を撮影する(ここがなんというか救いようのないSNSに毒された現代人って感じがしますよね)。

 

そして道路には野次馬と消防隊員たち。

 

 

あれれれれ? と状況を整理できないままベランダと逆側に位置する玄関側のほうに行ってみると、玄関横のに位置する部屋の窓が昼間のような明るさでオレンジ色に輝いている。

 

あっ、これまさか本気のヤバいやつなんじゃねこれ? とここで初めてジワジワと危機意識が脳に浸透してきた。この時点では自分の建物が燃えているのか隣家が燃えているのかもわからなかったし、窓のオレンジっぷりからすると玄関を開けたら大変なことになるのでは、というリスクを意識しつつ、退路を確認しておくためにそーっと慎重に開けてみたところ、ここは普通に開いた。

 

 

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あっ茶化しちゃいけないマジのやつだ!!

燃えてる!!!!

 

 

しかし自分の家の建物でないことがわかったのは少しほっとした。外廊下が水浸しだった。おそらく消火の放水のためだろう。我が家のドアや窓などは燃えている建物からやや離れていたので特に影響はなかったが、

 

 

 

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燃えた家の真ん前に位置する部屋は、ドアも窓ガラス(上記で言うオレンジに光ってた窓に相当する位置)も熱波でヤラれていた。

(この写真は後から撮影しました)

 

恐怖……。

 

 

 

 

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火元の民家はまだ鎮火する様子はないが、ピークの燃え方は過ぎたようには見えた。

 

この位置でドアを開けて様子を見ていたら消防隊員の人が駆け寄ってきて、「念のため避難してもらえますか」とのこと。

 

流石に妻子も起きてきた。深夜だったが息子はこんな事態は当然わからないのでいつもどおり。本来であれば即時に着の身着のまま外に逃げるということなのだろうが、見ての通り延焼や何らかの爆発等をするほどではなさそうだし、正直めんどくさいしこのまま部屋にいたいなあ、というのもあった。

だが事態を軽視した判断がどういう誤りに繋がるかわからないし、消防の人も言うのでやっぱり一応避難することにした。

 

 

季節柄肌寒く、かつ深夜だったので部屋着のままでは少々辛い。アウターを羽織って、息子にも1枚アウターと、更に念のためブラケットも持った。あとは財布とiPhoneとカギ。足下はサンダルにしてしまったがこれはちょっと寒かった。

 

 

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なお当時の息子のサイズはこれくらい。つかまり立ちができる程度で歩けないので抱っこ紐で連れ出した。

 

ところで避難とはいっても行き場所がないし具体的な消防の人からの指示などもない。取り敢えず外に出て野次馬に混ざって様子を見るという程度だった。煙がそこそこ立っていたので、結局少し離れた場所をぐるぐる散歩していた。

 

 

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これだけ消防車が集結しているとマジっぽさを実感する(マジの火事ですが)。住宅地は消防車が入っていきにくいのでホースを遠くから伸ばしている。

 

結局20分くらい外にいて何度か様子をうかがっていたが、どうやら鎮火したっぽい感じがあったので消防の方がガヤガヤしている中をかきわけて自宅に戻った。そういえば鍵をかけたっけなと心配になったがちゃんと施錠はしてあった。正直万が一何かあったときのために鍵をかけていいものか、とも迷ったが、やはり火事場泥棒が怖い。現場は割とわけわからん状況になっており、この中に泥棒や放火犯がいてもわからんなあ、と思った。一応、その場にいる人の顔は積極的に見るようにしておいた。

 

 

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まだ煙はたっているがほぼ鎮火した様子。

 

結局このまま早朝までに至ってしまったので、身支度やそもそも寝てないというのもあり会社は半休した。「近くの家が火事になりまして」が半休の理由になるか微妙なところだが、事実寝れなかったので仕方がない。

 

 

 

 

 

 

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夜が明けて見てみたら現場はこんな感じ。うちはまだ大丈夫だったが、別の隣接アパートは熱波で部屋は散々なことになっていた。可哀想。

 

 

 

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数日間、自宅には規制のテープと警察官の警備がついていた。野次馬の侵入防止と、(多分だが)放火犯を牽制する意味だろう。ども、なんて別に何もしてないのに会釈していちいち横を通るのであった。

後日ドラマみたいに自宅に刑事がやってきて、ドラマみたいに警察手帳を見せながら聞き込みを受けた。聞いたところではやはり放火の疑いが濃厚とのことだった。まあ空き家の放火というと単なる趣味の放火ではなく……みたいな想像もしてしますが、しかし現実に近くに放火犯が出現したんだ〜と思ったりすると、やはり平和ボケした頭をガツンとやられる。

いくら自宅の火の元は気をつけていたとしても、隣人や隣家が気をつけているかどうかは自分ではコントロールのしようがないですよね。なのでどこかで火事が起きるかも、という意識は忘れないようにしないといけないなと痛感したのでfacebook以外でシェア〜したいです。

 

なので避難訓練とまでは言わずとも、「今すぐ避難して!」と言われたら何を持って避難するかは準備&練習しておいたほうがいいかもしれないと思いました。 特に子供がいるご家庭は要り用なものも多いし、装備がヘボいと困ったりしますし。あと部屋着はちゃんと着ましょう。家では全裸ですとかわけのわからんアピールしてるグラビアアイドルとかヤバいぞ!

 

 

 

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しかし何度でも言いますが本当に火事は怖いですね。

自分は定期的にこの動画を見て火の扱いには十分気をつけようという意識を新たにしています。

皆さまもどうか油断されないように…。