昨年、12/31〜1/1にかけて、JRその他各社で実施する終夜運転を使ったことが無かったので実際に使ってみたが、
これがなかなか自分の中では面白かったので今年も実行した。
今年も最寄り駅の阿佐ヶ谷からスタート。総武線各駅停車で千葉方面に乗る。家を出るのは敢えて終電後というのを勝手に条件にしている。2時発の列車とか、普段だと夜行列車の途中停車駅くらいでしか見られないのでわくわくする。乗車率としては普通に座れる程度だが、隣の高円寺でもう座席は完全に埋まった状態になった。高円寺は飲んでる人多そうだもんな。
昨年は新宿で下車したので今回違うルートにしたいと考え、新宿以降も総武線に乗ることにしてみた。
深夜徘徊に向けて夜シフトを想定していたわけでもなく日中普通に活動していたので、座ったままウトウトし始めたところで急に車内がザワつきだし、その気配で目が覚めた。見回すと、水道橋駅で相当の大人数が乗ってきたようだった。昨年の経験ではやはり初詣の人が殆どに感じたが、車内の女性率が尋常じゃなかった。ああ、そういえば…と考えたらわかったのだが、これはジャニーズの年越しコンサートの帰りの客と鉢合わせしたのだった。水道橋駅のホームにはまだまだ人が残っており、恐らくここに乗った人以上に待たされている人も沢山いるのだろう。ぼくは座っていたので特段問題なかったが、通勤の満員電車並の状況で且つそういう列車に乗り慣れていない層が多いようで、やたらと「一度降りろや」「荷物がうぜえ」「斜めを向いてるんじゃねえ」などとジャニーズファン相互にブツブツと文句を言い合うという殺伐とした様子で、今にもその荷物からひょっこり顔を出しているウチワを抜刀してチャンバラを始めん勢いである。君ら同じジャニーズのファンなんだから仲良くしなよ、いやいや帰ったら皆さん聞いてくださ〜いこんな奴がいまして〜んみたいにマナー啓発の白ハゲキャラの1ページ漫画をTwitterにアップするのかい、憧れのアイドルを見た後で興奮しているのはわかるが、そんな醜態を晒していいのかい、家に帰るまでがコンサートではないのかい。
そんな殺気立っている雰囲気の列車ですっかりぼくの下半身のセクシーゾーンも萎縮してしまい、なんとなく秋葉原も過ぎて降りる機会を失ってしまった。秋葉原を過ぎると乗り換えも難しくなってくるのでどこかで決断しなければならないが、なるべくはやいうちに、ということで錦糸町で下車した。
この時点でちょうど2時ちょっと前くらいになる。錦糸町でも人の波はなかなかに凄くて、ほぼ先ほどのジャニーズ帰りと思われた。終夜運転は初詣や飲みだけでなくこうしてコンサート帰りの需要も大きいのだと学ぶが、しかし若い子も多いみたいだしドームで朝まで面倒みてやったらどうなんだとも思う。
ところでジャニーズといえば数年前のパーナさん騒動が印象に残っていて、これはリアルタイムでTwitterの様子を当日見ていたのでその集団幻覚というかあることないことメチャクチャ言ってる当事者および加担者とそれで遊んでる連中というのがインターネットおもしろ現象として語り継がれるべきと思っている。あのとき関わっていたファンって今どうしてるんだろう。
閑話休題。
錦糸町駅の南口を出ると、行列の様子が目に入ってきた。
「夢のお年玉箱」という、要は福袋である。店側にも客側にもここまでする/させる意味が果たしてあるのか、並びのプロみたいな連中が結局独占するだけで普通の消費者にチャンスが届かないのでは、そしてそれに動員される店員の皆さまよ……やったところで何になるのか全然理解ができないのだが、とにかく情熱大陸なんかには一生紹介されないタイプの夢追い人たちが、ここにいるのだ。
錦糸町南口の猥雑とした界隈などを少し歩こうとしたけどキャッチとか面倒なので引き返す。というかテレクラってまだ成立するのかよ、と気になって今リンリンハウスのサイトを見てみたら、体験談コーナーというのがあって、どうせサクラみたいなものばかりだろうと思ったら掲示板スタイルでバトルしてましたよ。
↓
なんだよこれ。2chか。
男性版体験談も割とガチに体験っぽいのが載っている。
「やりまん、大いに結構。」じゃねえよ。仙人クラスのなっが〜〜いヒゲを触りながら言ってそうだな。「やりまん、大いに結構。フォッフォッフォ」って。
……と、完全にこれだけで記事が書けそうなネタにブチあたってしまいましたが脱線すぎるのでやめる。とにかくテレクラの世界だけで独自の生態系ができているというのは理解した。
さて、南口はそういう感じなので錦糸町北口のほうへ出る。スカイツリーが見えたのでいっそそこまで歩くことにした。何度か歩いたことがあるが、確か30分も歩けば着くはず。
その前に寒さと空腹で何か食べることに。吉野家、松屋、日高屋とよりどりみどりなのは有り難かったが、寒かったので日高屋にした。
午前2時の日高屋ラーメンがこんなに美味いとは……となんだか感動してしまった。それくらい美味しく感じた。このときは天体観測ではなくスマホで上記のテレクラ観測をしていた。今年一番うまいラーメンだなこれ……と食べながら思ったが、今考え直したら2018年になったばっかりだし2018年初めての食事だった。
午前2時の日高屋の、あまりの美味しさの秘密、それは運んできたときに店員が思いっきり伝票をラーメンにダイブさせたからかもしれない。伝票トッピングのラーメンは良いダシが出る、覚えておいて損は無い(流石に結構謝られたが、いちいち交換させるほどではない。なんといってもよく行くような汚い中華屋では余裕で髪の毛もトッピングされるから)。
錦糸町からスカイツリーまでの道のりはそれほど目を引くものはない。半分住宅街のような街を淡々と北に向かって歩くだけだ。
こういうアジアンエロマッサージみたいのは営業している店もあった。どうでもいいけどコレ系の店でよくある「営業時間 12時〜ラスト」のラストって何時なんだろ。
いい電飾。こういうのは昼間に歩いてもわからない。
チョ、待てよ!!
スカイツリーほどの巨大建築物は近づくほど縮尺感が狂うのが面白い。そういう意味で牛久大仏も大好き。
スカイツリーの城下町付近を歩く。スカイツリーは初日の出営業をするのだが、その客は始発から来ると思われ、この時間はそれほど人はいない。見かけるのは近所に住んでいるであろうカップル、大学生くらいの集団、スケボー小僧などだ。しかしスケボーやってる若者っていっつも常に失敗してて巧いやつ一人もいなくないですか。
あと数年でなくなることを自らアピールする店。
普段だと夜中の2時か3時くらいから営業しているらしい名店・菊屋を一応見てみたが流石にお休み。まだ入ったことがないのでまたこよう。
この後、スカイツリー前から都営浅草線の本所吾妻橋駅まで歩き浅草橋駅まで行ったが、次の列車まで50分待ちだったので秋葉原まで歩いた。50分待ちくらい乗り鉄旅行では割と普通にあるが、都内の時間感覚でこれは相当きつい。
浅草橋からの道のりは高架の横を歩くのが早い。高架下で寝ている空き缶拾いを生業にしている人は何人か見かけたが、それ以外は流石にあまり人はいなかった。
秋葉原に到着。ここまで来ると結構人がいる。コミケの打上げでもしていたらしき集団が居酒屋から出てきてオタサーの姫をお見送りする様子などもあった。アキバにもヨドバシがあるのでやっぱりヨドバシンドリームを追う人がおり、それらは丁度地下隔離施設?に移動させられているところだった。列車の時間にちょうどよかったのでそのまま阿佐ヶ谷まで帰る。もう寒さと眠さでヘロヘロしており、完全に車内で寝ました。自分のことを差し置くがみんな仕事でもないのに夜中まで活動している人は結構いるし、働いている人には本当に感謝しかない。
昨年同様、今年も近所の神社でひとり初詣で締め。特段面白いことも変わったことも起きなかったが、別にそれでいいのだ。ひとつ収穫があるとすれば、普段別にうまいともなんとも思ったことが無かった日高屋の評価が自分の中で爆アゲ状態になってしまったことだろうか。なんかもう食べ物の味って味自体は実はどうでもいいんじゃないか、とすら思えてきた。ジョエル・ロブションで午前2時の日高屋のラーメンが出てきたらみんな有り難がって流石ミシュラン三つ星とか言ってるんじゃないだろうか。言わないな。ごめん。
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以上です。今年もよろしくお願いいたします。
(おわり)