この記事で言いたいこと
「ものは言いよう」は案外バカにできない、というかむしろ無料ですぐできることの割に結構役立つかもしれないね。
本文
先日、家族サービスと称して家族サービス向けの温泉ホテルに泊まってきた。家族サービス向けの温泉ホテルについてはまた別途書きたいことがあるが今回の主題はそこではない。
泊まったのはこの鬼怒川温泉ホテルという老舗。そこそこ高いのでまず通常なら泊まらないが、失効しそうなJALマイルで泊まれるのでここにした。
子供の頃からの永遠の憧れであるところのホテル内ゲームコーナーがあったり、
たまたまだけどマグロの解体ショーなどをやってくれてみたり、
その場ですぐに食べさせてくれたり。
この昭和感覚の過剰とも思えるバブリーな贅沢。その他にも旅館内にカラオケスナックやプールなども備えたザ・ファミリーホテルである。こんなところむしろバカにしてたくらいなのにまさか泊まることになろうとは思わなかった。
で、泊まった部屋はリノベーションなどをしつつもおそらくはそのホテルで数棟あるなかでは一番古い建物。
こういうタイプの縁側がある和室、嫌いじゃない。ていうか好き。
なので全然問題ないし、古いといってもきちんと手入れされているので問題ない。備え付けの部屋風呂の蛇口が70年代っぽいなあとか、トイレのウォシュレットの機種が古いなあとかそういうレベルで気付くだけで、ボロいとは思わない。
だけど、この棟の呼び方を見ておっこれは「ものは言いようですね」と感じた。
「懐かし館」
そう、古いのではない、懐かしいのだ!
よく複数の建物を持つホテルなどは、「旧館」や「本館」などと称しがちだが、この言い換えの妙。古いのが嫌いな人も、“懐かしい”なら良いじゃないかと思えてくるかもしれない。
更に、虫が入ってくることがよくあるらしく、そのことに関する注意書きがこれ。
「自然界からのお友だち」
「自然界からの大きな恵み」
「欧米ではてんとう虫は幸せのしるし(ただしカメムシは除く)」
どうでしょうこの共生感を勝手に醸し出してみたり、てんとう虫の職務を勝手に増やす“言いよう”は!
ぼくはこれを見て感心してしまった。部屋で見たらただただイヤな気分になるであろうカメムシの到来を「恵み」とまで言い切るこの胆力。
このテクニック、実際にリフレーミングなどと呼ばれる思考法で、要するに思考のフレーム(枠組み)を変えてみることで、ものごとの捉え方をポジティブで心地よいものにしようというものだ。ポジティブシンキングなどと言ったりもするが、その他に時間軸を広げてみたり、空間・視点を離してみたり、立場を変えてみたりというのもリフレーミングにあたる。
虫が嫌いな人からしたらうるせーふざけんなで終わるかもしれないけど、一旦こうやってポジティブな捉え方を提示してみるのはテクニックとしてはとても素晴らしいなと感心したのでした。
この技術は当然我々の日常でも広く応用できるので、狭く一方的なものの捉え方しかできていない人は是非練習してみると良いと思う。無料ですぐできるし。
(例)
・ネットで頭のアレな人にアレな絡まれ方をしたら
「ああ、自分の記事やツイートはこういう人に見つかるほどバズったのだな」
・パクツイされたら
「ああ、自分のツイートはそういう部族の人間に伝播するまで広がったのだな」
・批判されたら
「ワカメ?批判されておめでとう。批判する人の殆どが今あなたのいる大舞台に立ったことのない人よ」んなわけあるか。ネタパクアカウントを運営するうちに自己顕示欲が魔女のように膨れあがってサザうんちゃらの殻をブチ破ってしまった中の人が自己正当化ばかり考えまくっていたらこれまたアレな人が「深い…」とか「考えさせられる…」とか言うものだからどんどん調子ライディングに拍車がかかっていったわけですが批判自体の有無と批判内容の妥当性はまったく別物だし批判が妥当であった場合は真摯に受け止めなければならないわけでメデタいのはお前の頭の中だけではないでしょうかサザうんちゃらbotの松ウンチャラさん。
最後のシメ「スーッ……(足元から透けていき、消える)」は歴史に残る名フレーズだと思います。
で、何の話でしたっけ。