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赤いソファを知ってるか 青いソファを知ってるか

「プログラミング学習用おもちゃ」のテーマとして『はじめてのプログラミングカー』を選ばなかったワケ(寄稿ウラ話)

楽天の「それどこ」にこんな記事を書きました。

srdk.rakuten.jp

 

ちょっとゴチャついた記事になってて申し訳ないのですが、『ローリーズ・ストーリー・キューブス』という、

・事前にルールを作って

・絵が描いてあるサイコロを振って

・即興でストーリーを考えて喋る

みたいな使い方のシンプルなおもちゃです。

 

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こんなの簡単だよ、と見えるかもしれないけど、そういう人は一度数名でテーブル囲んでやってみてほしい。昔のBOSSのCMみたいになるからさ。

 

www.youtube.com

 

で、これテーマとしてプログラミング教育を見据えて……ということがあったので若干こじつけ感もありつつの選定でした。

 

例によってクソリプというか明らかに中身読んでもいないコメント(ちなみにこういうの、書いてる方からするとマジでバカの自己紹介って感じで一瞬であぁ記事読んでないなってわかるので、せめて一読してから何か書かないと恥かきますね)なんかでこんなの意味ねえとか言ってるのがいたので、まあここまでお読み頂いている聡明な方でそんな感じの人は居ないと思いますが(で、そういう人は読まないというジレンマね)、一応記事で書けなかったモロモロを補足しておきます。

 

子供のプログラミング教育ってなんだ

小学校でプログラミング教育が必修化、みたいな話がありますが、そもそもそこで言ってるプログラミング教育というのは、JavaやCを教えるとかそういう話ではありません。それは表層的なプログラミング技術や言語の話であって、ここで言うことの本質ではないです。(軽んじてるわけではないですよ)

 

小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ):文部科学省

 

このあたりにも書いてあったり、あるいは

 

小学校段階における論理的思考力や創造性、問題解決能力等の育成とプログラミング教育に関する有識者会議の設置について:文部科学省

 

上記に置いてあるpdfの「趣旨」にあるように、

「論理的思考力や創造性、問題解決能力といった資質・能力を育むという側面と、コンピューターを動かすために必要なコーディング(プログラミング言語を用いた記述方法)を学ぶという両側面がある」

わけです。ぼくもまったく同じ考えで、後者も重要ですが前者もまた重要。こと小さい子に関していきなりJava教えるとかやっても仕方なくて(つーか無理)、そうなると学校での学習や生活、家庭でまず前者をはぐくみつつ、例えばScratchベースのツールを使ったりしてプログラミング的なものを身につけていくのが良いのでは、という話ですね。

 

scratch.mit.edu

実際、子供の教育の現場などではこれが使われているようです。うちの会社も子供を招くイベントの際に使ったりしてました。命令がブロックになっていて、かつビジュアルでわかりやすくなっているのでプログラミングのイメージを掴むにはとても良いものだと思います。しかし、それができればいいとかいう話ではないです。要するにプログラミングは手段であって目的ではないのです。

(もちろん高い技術力を持つプログラマーの方は尊敬に値しますが、別に小学校からそういう人を養成しようみたいな話ではないのはちょっと調べればわかる話です)

 

それよりもプログラミング的思考と銘打ったその実際は「論理的思考力や創造性、問題解決能力といった資質・能力を育む」のが大事なのかなとぼくは思います。すべてのことに通ずるアタマの使い方の基礎の基礎なので。

記事を読んでか読まずかは知らんけど、

 

「これをプログラミング教育と紐づける論理的思考がやばい」

 

ってコメントは最悪でしたね。もうそういう本人は思考すらしてないもの。脊髄反射。そういう残念な大人にならないためにも、

 

 

で、そのプログラミング的思考なるもののはぐくみが必要であり、そういう部分のアタマを使うおもちゃという意味で、未就学児とあそぶのには『ローリーズ・ストーリー・キューブス』はオススメかと思います。何より、楽しい雰囲気が作れるのと、そういう絵空事のお話をバカにしたり否定するような空気を排除して、真剣に空想を考えるという思考トレーニング的な感じが良かったですね。大人がボードゲーム感覚で遊んでも楽しいと思うし、マジでやりたい。

 

そういえば、本当はもっと沢山の架空ストーリーが生まれてはいたのですが、冗長すぎるという理由でボツになりました。ハイエナズクラブのたばねさんにせっかく書いてもらったのに勿体ないからここで貼ります。どんな話か想像してみましょう。

 

ボツカット①

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ボツカット②

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真っ正面のプログラミング教育おもちゃ「はじめてのプログラミングカー」

 

で、そんな記事でしたが、実はこういうおもちゃも試していました。

 

 

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多分先の脊髄反射マン的にはこういうおもちゃが良いのでしょう。表層的にはめちゃめちゃプログラミング〜ッ!って感じ。

2020年度小学校で必修化」なんというキャッチフレーズもまた売れそうな感じ…。

 

 

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遊びかたは、

・車に命令カードを読み込ませる

・「実行」をすると、カードのとおり車が動く

・目的地を目指す

のような感じ。命令カードには「前に進む」「右に旋回」「左に旋回」のようなものがあり、順番に読み込ませることでそのとおり車が動く。まあプログラミングですね一応。ループとかもあるといえばある。

 

……でもね、まあまさに表層的にはとってもプログラミングですね、なのだけど、それだけ。発展性があまり無いし、このおもちゃとしてのセオリーをおさえてしまえばもうそれで終わってしまうのです。子供もバカじゃないので、おさえるところをおさえちゃうともう楽勝なんですよ。

 

4歳半の息子も最初は「旋回」と「前に進む」が別物であることを理解できなくて目的地に行くのにミスっていたけど、それがわかったらもう大体問題なく命令できるようになりました。

これはこれで面白いし良いおもちゃなんだけど、 これで「うちの子供もプログラミング的思考できるようになったワイ」って思ってしまうのはちょっと本質を捉えてないなという感じです。 

あとScratchであそぶのもできなくはないと思うけど、まだ未就学児で使いこなすのは厳しいですね。